負担軽減費以外にも良いことが!?知られざる治験に参加するメリット
治験参加中は、検査・画像診断料が無料になる
実は、治験薬を服用中は、保険が効かなくなります。
理由は、治験薬は開発段階であることから、厚生労働大臣より保険の適用が認められていないためです。
これだけ聞くと、「保険が効かないってことは検査費とか高額なお金を払わないといけないの!?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
治験は、ボランティア(被験者)に対して金銭的な負担を強いることについては十分に配慮して実施されます。
治験の為に実施した検査料や画像診断料、薬の処方料については、ボランティア(被験者)が支払う必要は一切ありません。
そのため、疾患をもともと持っている方が対象の第U相試験や第V相試験に参加される方には大きなメリットとなります。
いまいちイメージが掴みづらいと思いますので、具体例を挙げてみます。
健康な人が治験に入った場合
Aさんは、治験のボランティア(バイト)に応募し治験参加の為に入院をしました。
入院中Aさんは風邪をひいてしまい、インフルエンザの簡易検査と風邪薬が処方されました。
この場合、Aさんは治験に参加していないときであれば、病院へ行って検査を受けて薬を貰いお金を払いますが、治験に参加していた場合はAさんが支払うべき費用は製薬会社が負担することになります。
心臓の病気を持っている方が治験に入った場合
Bさんは、心臓の病気を持っていることから病院で定期的に心電図の検査を受けています。
ある日、先生に治験を紹介されてAさんは治験に参加することに決めました。
この治験では、来院毎に心電図の検査をすることが決まっています。
この場合、Bさんは、治験に参加していなかった場合は、毎回心電図のお金を払わなければいけませんが、
治験に参加したことにより、心電図のお金は製薬会社が負担することになり、Aさんは心電図のお金を払わなくても良いことになります。
もちろん自己申告で「払いません」と言わなくても病院・クリニックから請求自体されません。
なんで上2つの場合は、製薬会社がお金を負担してくれるの?
Aさんの場合、「風邪(感冒)」が治験薬による副作用(治験では正確には有害事象といいます)なのかどうかを調べる必要があります。
その調査の過程で必要になった検査については、製薬会社が費用を負担します。
また、治験薬によって副作用(または有害事象)が生じた場合は、GCPという治験のルール(法律みたいなものです)では、適切な処置がされることを義務付けられています。
そのことから、処置に必要となった風邪薬の費用についても製薬会社が負担することとなります。
Bさんの場合は、心電図の検査は治験の手順(プロトコール)の中で決められた検査であることから製薬会社が費用を負担します。
もちろん、Aさんのような健常人が治験に参加した場合でも、治験参加中に治験の手順の中で決められた検査については、製薬会社が費用を負担します。
製薬会社が費用を負担してくれないことはあるの?
結論から言うと製薬会社が費用を負担しないものもあります。
具体的には1例として、以下のような場合になります。
・初診料、再診料について
・医師やコーディネーターの指示に従わず、その結果生じた検査の費用について
・治験とは全く関係の無い費用について
(×:便秘の治験に参加している人が、痩せ薬を出して欲しいと言った場合、その費用)
(×:心臓病の治験に参加している人で、持病として花粉症を持っており、耳鼻科にも通っている場合、耳鼻科での検査代や薬の費用)
上記のような場合は製薬会社は費用を負担しない可能性もあります。
初診料、再診料については、自己負担となりますが、そのほかは普通にしっかりとルールを守って治験に参加をしていれば、問題ありませんね。
ちなみに、初診料、再診料ですが、医療機関にもよりますが、目安としては初診料が1,500円程、再診療が800円程となります。
検査・画像診断料が無料になる以外には何かないの?
どの病院やクリニックで治験を受けるかにもよりますが、以下のようなメリットがある場合があります。
通院の治験の場合、優先的に診察をしてもらえることがある
検査や画像診断など、綿密にしっかりと診てもらえる
診察も通常の人の診察よりも丁寧に診察をしてもらえる
普段待ち時間が長くてうんざりしている方でも治験に参加することで優先的に診察をしてもらえることもあるので、そのような病院やクリニックであった場合にはラッキーです。
まとめ
高額な負担軽減費以外にも、検査・画像診断料が無料になったり、通院の場合は優先的に診察をしてもらえることがあったり、実はあまり知られていないメリットもあります。
例としては一部しか挙げられていませんが、他にもユニークなメリットを提供している病院やクリニックもあるかもしれませんね。
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