分かりやすく解説!治験で副作用発生時の補償はどうなっているの?

分かりやすく解説!治験で副作用発生時の補償はどうなっているの?

治験での副作用

治験への参加を躊躇ってしまう大きな原因の1つには副作用のことがあるかと思います。

 

まだ発売もされていないお薬を飲んで変な副作用が起きてしまったらどうしよう…そんな不安がある方も多いかと思います。

 

治験での副作用について詳しく解説している記事も当サイトにご用意していますが、今回は、副作用が万が一起きてしまった場合に、製薬会社がどのように補償をするのかをご紹介していきます。

 

補償の制度は複雑

補償の制度についてご紹介をしていきますが、実はこの補償の制度、小難しい単語などが色々出てきて分かりにくい部分も多々あったりします。

 

こちらの記事では、なるべく簡単に噛み砕いて具体的な例も交えながらお話をすすめていきますので、若干細かい部分は省いてお話をするのでご留意ください。

 

補償が適用される場合とされない場合

「治験での補償」は、既に販売されているお薬で副作用が生じた際の補償と同じ内容が適用されます。

 

そして、この補償は薬(治験薬も)が原因で生じたと判断された症状についてされるものになります。

 

補償が適用される場合と適用されない場合の具体的な例を見てみましょう。

 

補償が適用される具体的な例

便秘の治験に参加していたとします。

 

便秘の薬(治験薬)の副作用で、脱水症状を引き起こし入院し、治療が必要になりました。

 

このような場合は、脱水の治療は、治験薬の副作用によって引き起こされたと医師に判断される可能性が高く、補償が適用となります。

 

補償が適用されない具体的な例

同じく便秘の治験に参加していたとします。

 

治験のために病院に通院する途中で、交通事故に遭ってしまい、治療が必要となりました。

 

この交通事故が、治験に参加した方の不注意によって引き起こされ、治験薬は特に関係ないと医師、製薬会社に判断された場合は、補償は適用されません。

 

その他、補償が適用されない場合の例

・治験薬が効かなかった場合
・治験参加者の故意によって健康被害が起きた場合(自傷行為など)
・治験参加者の虚偽申告があった場合
・治験参加者が治験薬の用法・用量を守らなかった場合

 

補償が適用される場合と適用されない場合の具体例をお話しましたが、一言で言うと、「治験薬が原因で起きた症状なのか」というところが、補償の対象になるかならないかの判断ポイントになります。

 

そして、この「治験薬が原因なのかそうではないのか」の判断は、一般の方には難しいため、医師や製薬会社が判断することになります。

 

実際に治験に参加したときに、もし「これは補償の対象なのかな…」と思うことがあれば、担当医師や治験コーディネーターに相談をしてみると良いでしょう。

 

また、“医師や製薬会社が判断すると、良いように勝手に判断されてしまう”と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そのような場合には実は賠償という選択肢もあったりします。

 

賠償についても後程簡単に触れておきます。

 

受けられる補償について

ここまでで、補償が適用される場合と適用されない場合についてご紹介してきましたが、次は実際に補償をされる場合はどのくらいの補償が受けられるのかをご紹介していきます。

 

まず、受けられる補償の内容は、医療費・医療手当・補償金(障害補償金、障害児養育補償金、遺族補償金)というものですが、1つ1つ簡単に解説をしていきます。

 

医療費

参加した治験で生じた健康被害の治療に必要になった費用が補償されます。

 

つまり、健康被害の治療のために必要になった、診察費、入院費、検査代、お薬代などは補償されることとなります。(治験参加者の方の負担は0です)

 

ただし、「入院する部屋を個室にしたい!」というような場合は、治療に必要なこと以上になるので、その部分のお金は補償されません。

 

医療手当

治験薬によって生じた健康被害によって入院が必要になった場合には、医療費以外の諸手当として医療費手当が出ます。

 

金額は製薬会社の規定によって若干異なる部分はありますが、目安としては以下のような感じとなります。

 

◆1ヵ月のうち8日未満の入院の場合 ⇒ 月額 34,400円
◆1ヵ月のうち8日以上の入院の場合 ⇒ 月額 36,400円

 

入院が必要になった場合以外にも一部手当が出る場合もあります。

 

◆1ヵ月のうち3日未満の入院相当程度の通院治療を受けた場合 ⇒ 月額 34,400円
◆1ヵ月のうち3日以上の入院相当程度の通院治療を受けた場合 ⇒ 月額 36,400円
◆入院と通院がある場合 ⇒ 月額 36,400円

 

補償金

補償金の額についても製薬会社の規定によって若干異なりますが、目安としてご紹介をしていきます。

 

■障害補償金
治験薬によって生じた健康被害によって、後遺症が生じてしまった場合は、その程度に応じて障害補償金が支払われます。

 

◆1級 ⇒ 月額 230,600円 (年額 2,767,200円)
◆2級 ⇒ 月額 184,500円 (年額 2,214,000円)

 

どのような障害が1級なのかなどの詳しい情報は、厚生労働省のページで詳細に説明されているので、そちらもご参考程度に貼っておきます。

■障害児養育補償金
上で「障害補償金」についてご紹介しましたが、18歳未満の子どもを養育している場合には、この障害自動養育補償金も支給されます。

 

◆1級 ⇒ 月額 72,100円 (年額 865,200円)
◆2級 ⇒ 月額 57,700円 (年額 692,400円)

 

■遺族年金
生計維持者が副作用により死亡してしまった場合は、最高で10年間の遺族年金を受け取ることが出来ます。

 

月額 201,700円 (年額2,420,400円)

 

■遺族一時金
「遺族年金」は生計維持者が副作用により死亡した場合ですが、「遺族一時金」は、生計維持者以外の方が副作用により死亡した場合に支払われるものです。
一時金として、7,261,200円が支払われます。

 

補償は申請が必要

実はこの補償制度は、申請が必要になります。

 

どのような書類でいつどこに申請してたら良いか全然分からないと思いますので、補償に該当しそうだなと感じたときには、治験コーディネーターに相談をしてみるのが良いでしょう。

 

ちなみにですが、補償の申請方法などについては、厚生労働省が管轄する医薬品医療機器総合機構と組織のホームページにも詳細に記載されています。

 

まとめ

世間一般ではまだまだ「闇バイト」等言われてしまっている治験ですが、実は万が一副作用が生じてしまった際の補償についてもしっかりとした規定が整っています。

 

今回の記事ではその一部をご紹介していきましたが、実際に治験に参加された方はご存知かもしれませんが、治験に参加する前に受ける同意説明のときにこの補償について詳細に記載された資料が渡されるはずです。

 

治験に参加する前には是非そちらの資料もしっかりと確認してみてくださいね。

 

また、もし「貰ってない!」という方がいましたら、治験コーディネーターに「補償についての資料を下さい」と言えば貰えるはずですので、もしそのような方がいたら資料を貰っておくと良いでしょう。

 

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