治験バイトは未成年でも出来るの?
未成年の治験バイトの案件は存在する
治験というと、世間の中ではまだ「闇バイト」や「人体実験」と思っている方も一定数いるように感じます。
また、「高額な報酬が貰えるバイト」という認識もあるためか、治験に参加できるのは成人のみで未成年は参加出来ないと思っている方も多いかと思います。
しかし、実際には治験は、薬機法という法律やGCP省令というルールによって、しっかりと管理されているもので、治験は正しくは「アルバイト」ではなく、「ボランティア」に分類されます。
そのため、治験に参加できる年齢は特に制限は無いのです。
小児用の薬を開発しようとしたときに、その薬の有効性を大人で確かめても意味が無いですよね?そんなときには、1歳の小児を治験で募集することもあるのです。
ただ、もちろん成人の治験と比べると未成年の治験の案件数の方が少なく、あまり募集も出ていないため、世間では「未成年でも治験のバイトが出来るの?」という疑問に繋がるのだと思います。
未成年が参加できる治験
未成年を対象にした治験の件数は少ないのですが、どのような治験があるのかをまとめてみました。
実際に私の友達でも高校生のときに治験に参加した人もいたので、タイミングが合えば治験を見つけることも出来るでしょう。
※負担軽減費とは…世間では「報酬」と呼ばれているのでその方がイメージしやすいかもしれません。治験では、「報酬」ではなく「負担軽減費」と呼びます。
12歳〜17歳の気管支喘息の診断がある方対象★通院試験★(HM-18-001-02A)【喘息、通院】
概要 |
12歳〜17歳の気管支喘息と診断されている方が対象の治験です。 |
負担軽減費 |
募集サイトには記載なし |
対象 |
◆12歳〜17歳の男女 |
応募方法 |
VOB(ボランティアバンク)
【無料会員登録後の手順】
|
5歳から15歳で近視の方対象!目薬の使用試験
概要 |
今回の試験は、お子様を対象とした目薬を使用していただく通院試験です。 |
負担軽減費 |
募集サイトには記載なし |
対象 |
【基本参加条件】
【その他参加条件】
◆保護者が同伴できる方 |
応募方法 |
生活向上Webに掲載されています。無料会員登録後、申し込みが可能です。
【無料会員登録後の手順】 |
未成年の治験参加は保護者の同意が必要
未成年でも参加できる治験はあるのですが、治験に参加するには、保護者の同意が必要になります。
保護者の同意が必要なことは、GCP省令という決まり事で決まっているため、どの製薬会社のどの治験でも必ず必要になってきます。
これは、未成年を守るために定められている治験全体のルールで、保護者の同意が無いにも関わらず未成年を治験に参加させてしまった場合は、その製薬会社や医療機関には重い罰則が科されます。
保護者の同意ですが、具体的には、未成年と一緒に医師から治験についての説明を受け、その際に同意書に保護者の署名が必要になります。
治験全体のルールでは、この保護者からの同意があれば未成年の治験参加はOKなのですが、募集によっては、通院中も保護者の同伴が必要な場合などもあるので細かい決まりごとについては治験の案件ごとに確認してみくださいね。
就活のネタになったりすることも!?
治験は、「アルバイト」ではなく「ボランティア」なので、就活の際のネタになることもあります。
治験は新薬の開発には絶対に欠かせないもので、みなさんが飲んだことがあるお薬はすべて治験で効果と安全性が確認されてから世に出ています。
そのため、社会貢献度は非常に高いと言えるでしょう。
私の場合、製薬系の企業に就職をしたのですが、その時に、自分のデータが病気で苦しんでいる人のためになればと思い治験に参加したことを面接官に伝えたところ評価していただいたことがあります。
状況によっては、お話の話題にもなるかと思います。
まとめ
未成年が参加できる治験ですが、数は少ないもののしっかりと参加できる治験はあります。
治験は、ただのアルバイトではなく、しっかりとしたボランティアでもあるのですが、未成年の方の場合は保護者の理解もしっかりと得られなければいけない分参加にはハードルが高い場合もあるかと思います。
それでも、世界では小児用の薬は必要とされており、未成年の治験参加も必要不可欠なのです。
本記事を読んでいただき、少しでも治験に対する正しい知識を持っていただけたら嬉しいです。