治験の事前検査に通らない…事前検査で落ちてしまう理由とは?

治験の事前検査に通らない…事前検査で落ちてしまう理由とは?

治験や臨床試験の事前検査

治験や臨床試験に参加する際には、事前検査を受ける場合がほとんどで、その事前検査で適格と判断された場合のみ、本試験に進めるといったことになっていることが多いです。

 

治験募集サイトで書かれている事前検査は、治験の業界では、適格性検査スクリーニング検査と呼ばれています。

 

事前検査と本試験の関係

 

この事前検査では、治験や臨床試験に入るのに適格な方かを調べることになり、ここで不適格になった場合は、その治験や臨床試験には参加出来ません。

 

本記事では、健常人対象の治験や臨床試験の方向けの治験や臨床試験で落ちてしまう方向けの記事となります。

 

治験に参加して何度も事前検査に落ちてしまうという方には少し耳寄りな情報も交えてご紹介していきたいと思います。

 

適格とか不適格って?

それでは、どのようにして適格か不適格か判断されるのかをご紹介していきます。

 

まず、この適格と不適格の基準ですが、これは参加する治験や臨床試験によって異なります。

 

参加している治験や臨床試験で規定された基準に従って、医師が適格性の判断をします。

 

そしてこの適格性の判断は、問診や血液検査などの検査結果を見て医師が判断するのです。

 

一例ではありますが、具体的にどんなことを確認されているのかを見ていきましょう。
問診による確認
検査結果による確認

 

治験では、未承認の薬や医療機器の有効性(薬や医療器具の効果)や安全性(副作用など)などをヒトで検証するものです。

 

そのため、細心の注意が払われて治験や臨床試験が実施されています。

 

例えば、肝臓で代謝される薬を肝臓が弱い方に投与した場合には、薬がしっかりと代謝されず、高濃度で体内に蓄積してしまい、副作用を生じてしまう可能性もあります。

 

そのようなことが無いように1つ1つ医師がしっかりと項目をチェックしていき、問題無い場合のみ治験薬の投与や医療機器が使用されるのです。

 

事前検査の規定の厳しさ

医薬品の治験、医療機器の治験、化粧品の臨床試験、健康食品の臨床試験(化粧品と健康食品は治験とは言わず、臨床試験と言います)…色々な種類がありますが、実はそれぞれで事前検査の規定の厳しさにバラつきがあります。

 

もちろん、場合によりますが、おおまかなイメージは以下のような感じになります。

 

治験_臨床試験の事前検査のイメージ

 

上記より、化粧品や健康食品の臨床試験は事前検査の規定が比較的緩い場合が多い傾向にあります。

 

健常人対象の治験についても、世間では「希望すれば誰でも入れるのでは?」と思われている方もいるかと思いますが、意外に事前検査の規定も厳しめになっています。

 

薬である以上、規定を緩くしてしまうと治験参加者の健康を害してしまう可能性もあるため、慎重に選ばれているということですね。

 

健常人で薬の安全性が確認された場合は、患者への投与となりますが、健常人での治験で安全性データの蓄積もあるため、やや条件が緩めになる場合があります。(健常人の場合、花粉症はNGでも、患者の場合OKにするなど)

 

不適格になりやすい人とは

色々な治験や臨床顕試験に参加しているのに、毎回事前検査が通らず落ちてしまうという方向けにも考えられる可能性についてもご紹介していきましょう。

 

先ほど、適格か不適格かの基準は参加する治験や臨床試験によって異なると記載しました。

 

しかし、大体の治験や臨床試験で共通している項目もあります。

 

何個かの項目について見ていきましょう。

 

@肝機能や腎機能が弱いと厳しい

先ほども例で少し触れましたが、薬は肝臓や腎臓で代謝されることから、肝臓や腎臓が弱い場合には、治験に通りにくくなります。

 

「肝臓や腎臓が弱い」といっても、自覚症状があるレベルではなく、血液検査レベルでしか分からない可能性があります。

 

肝機能や腎機能を評価するための臨床検査値(血液検査で測定するもの)には以下のようなものがあります。

 

治験の検査でよく見られる項目

 

肝機能、腎機能関連の検査値は、上記以外にもありますが、治験では主に上記の検査値で見られることが多いです。

 

肝機能や腎機能の規定が厳しいのは、医薬品の治験の場合に多く感じます。

 

そのため、肝機能や腎機能の数値が悪く、事前検査に通らない場合は、この項目の制限が比較的緩めな医療機器の治験や化粧品や健康食品の臨床試験に参加するとこの基準ではひっかかりにくくなるでしょう。

 

A花粉症の人は通りにくい

花粉症を合併している方を制限している場合も健常人を対象とした治験ではしばしばみられます。

 

この合併というのは、治験参加の時期に発症していなくても“毎年花粉症の症状が現れるけど、今年はまだ症状が出ていない”という場合でも該当する場合があります。

 

治験を実施する場合、治験薬を服用中の全ての症状についてデータを集めます。

 

一例をご紹介すると…

・頭がぼーっとする
・鼻水が止まらない
・眠気がある
・目がかゆい

 

そして、上記の症状について1つ1つ医師は、それが治験薬によって生じたものなのか、それとも関係ないのかを判断していくことになります。

 

ここで花粉症を持っていたらどうでしょうか。

 

「鼻水が止まらない」や「目がかゆい」といった症状は、治験薬によるものなのか花粉症によるものなのかが判定しにくくなるのはイメージできますでしょうか?

 

これは、目に見える症状ですが、花粉症の場合、実は血液検査にもその影響が出ます。

 

花粉症の場合、好酸球という血液検査の項目が高値になります。

 

好酸球は、膠原病(こうげんびょう)や猩紅熱(しょうこうねつ)でも高値になります。

 

花粉症を持っていることで、安全性(副作用)の評価に影響を及ぼす可能性があることも1つの理由で、規制されている場合があります。

 

花粉症が原因で、事前検査に通らず落ちてしまう方の場合、花粉症の方対象の治験や臨床試験に参加すると良いでしょう。

 

花粉症の方が対象の治験や臨床試験の場合、花粉症を持っている方しか参加できないため、治験や臨床試験に参加できる確率が上がり、むしろアドバンテージになります。

 

B心電図に異常があると通りにくい

心機能は生命に関わる重要なものです。これは、説明するまでも無くみなさんも分かるかと思います。

 

心機能は、心電図検査で測定していしていますが、この心電図検査で異常が出てしまった場合は、治験では不適格になってしまうことがあります。

 

程度にもよりますが、毎回異常所見と健康診断で言われてしまうような場合、薬の治験には参加することは難しいことが多いため、薬の服用が無い、化粧品の臨床試験や心機能に影響をほとんど及ぼさないような健康食品の臨床試験に参加してみると良いでしょう。

 

C生活保護受給者は通りにくい

治験では、負担軽減費が支払われますが、この負担軽減費は雑所得(雑収入)というものに分類されます。

 

生活保護は、受給者の収入に応じて支給されるものですが、治験や臨床試験に参加することにより、収入が生じてしまい、生活保護を打ち切られてしまう可能性があります。

 

治験や臨床試験に参加することによって、生活保護が打ち切られてしまった場合は、治験参加者の方に不利益が生じてしまう可能性が高いことから、生活保護受給者については、治験や臨床試験の参加を断るケースが多いです。

 

D日本人以外は通りにくい

生活保護受給者ほどではないですが、外国人を禁止としている治験や臨床試験も多くあります。

 

もちろん、人種差別といったことは全く無く、日本人と外国人では体のつくりが違うところがあり、その1つに保有している代謝酵素に違いがあるといったことがあります。

 

この代謝酵素に違いがある場合、薬の代謝に影響を及ぼし、薬の効果をうまく判定できなくなってしまう可能性があるのです。

 

そのため、日本人以外の治験参加を規制している場合があります。

 

また、ハーフやクオーターについても同じような理由から規制されている場合がありますが、私の体感上、ハーフが規制されている場合はしばしば見かけますが、クオーターまでとなるとあまり規制されている印象はありません

 

まとめ

今回は、事前検査に通りにくい5つのポイントについてご紹介していきました。

 

健常人の治験(薬)は、基準が厳しく比較的事前検査に通らず落ちてしまう方も多いかと思います。

 

事前検査で見ているポイントや規定の厳しさはそれぞれ違っているので、治験や臨床試験に協力してみたいという方は、是非ご自身にあった案件を見つけてみて下さいね!

 

 


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